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ヒト免疫不全ウイルスはエイズとどう違う?

一昔前、HIVに感染することで起こるエイズは、不治の病だと言われていました。しかし、医学が進歩したことで、適切な治療を受ければ治癒する確率が高くなってきました。HIVとはヒト免疫不全ウイルスのことを指しますが、感染すること自体をHIVやエイズと表現することがありますが、どちらが適した表現なのか理解していない人も多いでしょう。

実は、HIVに感染したからといって、エイズと診断されるわけではありません。エイズとは、ヒト免疫不全ウイルスに感染した人が、免疫力低下を引き起こし該当する合併症を引き起こした慢性疾患になる状態のことを意味します。発症後や発症前といった症状に応じて呼び方が異なるので、まずはエイズとは違うことについて理解が必要です。

ちなみに、エイズと診断されるためには23疾患のいずれかを発症することが条件として定められています。23疾患の中には、カンジダ症やトキソプラズマ症、ヒトプラズマ症などが含まれています。ヒト免疫不全ウイルスに感染することで免疫力低下が起こるのは、CD4リンパ球の数が減少するからです。CD4リンパ球とは血液中の白血球の一種であり、人間の免疫機能の中心的な役割を果たしています。HIVに感染すると、CD4リンパ球の数が減少してしまって、さまざまな病気を発症しやすくなるのです。

HIVに感染したとしても、すぐに目立った症状が表れるわけではありません。発症前の潜伏期間(2週間から4週間)を経ると、急激にウイルスが体内で増殖するようになります。そして、免疫機能のかなめであるCD4リンパ球の数が少なくなっていきます。

この時期に、発熱やのどの痛み、だるさや下痢といった風邪に似た症状が出てくるようになります。一般的な風邪のように、しばらくすると症状が落ち着くことが多いので、HIVに感染していることに気が付くのが遅れがちになります。そして、はじめの症状が出てからしばらくの間は全く症状が出ない期間が約10年発生します。症状が出なくても体内でウイルスが感染を拡大させてCD4リンパ球の数を減らしていきます。

免疫力がある程度まで下がってしまうと、体調がすぐれない日が増えて、慢性疾患にもかかりやすくなるのです。そして、エイズ発症後は、抗HIV薬などの治療受けることになります。日本で承認されている抗HIV薬にもいくつかの種類があるので、体の状態などに応じて適切な薬を医師から処方してもらいましょう。また、HIVに感染したことを早めに気が付くことができれば、さまざまな疾患にかかるリスクも低下できるので、定期的に検査を受けるのがおすすめです。